
BROMPTON(ブロンプトン)を買った。
それはロンドンの工場で作られる、老舗の、完成された折り畳み自転車で、畳むと機内持ち込みできるほどに小さくなるのだ。

買う前の心配は、高い買い物(20万超)なのに、そのうち乗らなくなるのではないかという恐怖。産後にダイエットしきれなかった自分を信じられないのだ。
盗難も怖いし、乗り心地が自分に合わないこと、またパンクが頻繁におこったらなどという起こる前からのめんどくささ。買って後悔することが怖かった。
ここでは、これらの心配が実際にどうだったかの検証と、坂道が多い自転車通勤用カスタムについて書いてみる。

10年くらい前の私は、刹那的な旅をしていた。
計画もろくになく行き当たりばったりの、よく無事に帰れたなと後から思い返して感じる様な顛末ばかりだ。

そのころ。
ずっと欲しかったのがブロンプトン。いつも貧乏旅行だから交通費をケチるため歩き続けたり安い列車ですし詰めになったり。機内持ち込みできる小さな自転車があればいいなあといつも思っていた。
ブロンプトンは量産店等で売っていないから近くで買えないし、通販もしてないし、フリーターには高過ぎるしで、ため息をつきながらwebのシュミレーターで自分好みのカスタムをしては眺めているだけだった。

それがどうだろう、近所に小径車専門店ができて、主力商品としてブロンプトンが近所の商店街のショーウィンドウに並ぶ日が来るとは。
わたしは結婚して、二度出産して、旅から離れ、日々を慌ただしく送っているだけだったから、数年のあいだ ブロンプトンのことを忘れていた。
店ができることを知ったのがその店の開店の日、営業時間の終わる数分前に飛び込んで試乗させてもらった。
初見としては、折り畳みに勝手に抱いていたイメージを覆す、なんらチープなことのない安定した走りであると同時に、十年以上あこがれ続けた極上の乗り心地はこの程度か、という印象を持った。
アップダウンの多い道を走るために選んだ仕様とカスタム
それから一週間、カラーや仕様を悩んだり、色々なblogを読み込んだりして、心と懐の準備をしていった。
そうして決めた自分のブロンプトンはこれ!

カラー | オレンジ | |
ハンドル | S(ストレートになっているタイプ) | |
ギア | 6段変速 | |
オプション | リアキャリアの取り付け | |
傷防止の金属プレート |
カラー
カラーのオレンジは、今まで乗っていたクロスバイクがグリーンだったので、その補色であるという点。180度違うカラーを楽しみたかった。
また、昨今のコロナ禍で気分がふさぐような世の中を明るく乗り切りたい気持ちもあったろう。
そして、目立つ色であることは盗難を防ぎやすいという効果をうまないかという期待もあった。
オレンジは好きな色の一つでもある。
もし、2021年バージョンにホワイトがあれば、そちらを選んでいる可能性もある。ホワイトも好きな色なのだ。
ハンドル
ハンドルのタイプは大きく分けて2つある。M型とS型である。

わたしが選んだSハンドルは、ストレートでスポーティーなハンドルで、Mハンドルより前傾姿勢になる。身長が151㎝のわたしは、Mハンドルだとかなり体が起きる感じがした。坂道を上ることが多いこともあり、前傾姿勢である方が良いと感じたので、通っぽいMハンドルの「ブロンプトンらしさ」も捨てがたかったけれど、あまり悩まずSハンドルに決めた。

ギア
ギアは、2段変速、3段変速とあり、その両方をつけた6段変速もある。わたしは坂道を上ることが多く、それがメインとなるため、迷わず6段変速を選んだ。いくらかのお金をだせば2速や3速への変更はできるし、その逆もできる。坂道を乗ってみて、6段変速で良かったと心から思った。坂道で乗ることがない人や軽さを求める人には向かないかもしれない。
リアキャリア
リアキャリアは転がすときに便利そうだし、お座りスタイルで停める時に安定しそうだし、荷物を運べるしで、これも必ずほしかった。

知らなかったのだけど、6速Sハンドルのブロンプトンにはキャリア付きモデルがない。そこで、オプションとしてキャリアをつけることになった。重量は少々増加するが、わたしは輪行はあまりしないため気にならない。それより通勤時に使っているバックパックをリアに縛って坂を上るととても身軽でよいのだ。最初はサイクリング用のバックパックを購入しようと思っていたのだが、今のリアキャリアの使用方法が快適なので必要なくなった。


傷防止金属プレート
ブロンプトンのフロントフォークには折りたたむときにチェーンステイに引っかけて固定するためのフックがついていて、再々折りたたんでいるとチェーンステイに容易く傷がつく。それを納車時に教えてもらったため、あらかじめシールタイプの金属プレートを付けた。



かくして、納品された車体は、純正でリアキャリアだけ付けたものになる。(これから気持ちが変わるのかもしれないけど、基本的になんでも純正が一番だと思っている。)
4か月、週5日乗ったブロンプトンとその装備
雨の日以外は自転車通勤、週5日乗っている。職場は山の上だから、行きは苦しいが帰りは早い。また、家が島なので、自転車ごとフェリーで本土に渡ってからの山登りとなり、その通勤ルートもなかなか楽しいと感じている。
以前のジャイアントの方が、坂はずいぶん楽だと思った。だけど、念願かなって乗れていることもあり、乗ること自体はとても楽しい。
夏は暑いのでちょっと嫌だけど、命には代えられないからヘルメットだけは使ったほうがいいと思う。わたしは後ろに目立つランプのあるヘルメットをかぶってのんびり漕いでいる。amazonで安く購入したのだけど、職場の方からの評判がよく、何かのブランドと勘違いされることもある。かわいいと言われるので、おすすめ↓こちら
突然の雨に備えて、サドル下にいつもレインコートを縛り付けている。おしゃれなサドルバッグを検索したりしていたけど、決めかねて、色合いのよく似合う風呂敷を仮につけていたらまわりからほめてもらったため気をよくしてこのまま使っている。

ついでに、フロントにも風呂敷をつけて、お弁当やチェーンロック、飲み物などを投げ込んでいる。これも、高いバッグを決められずにとりあえずつけてみたものだけど、使い勝手が良くてこれでいいじゃん!となった。しばらくはこれで行くけど、カラーがマッチしてない気もする。

(ちなみに、上記のロックは2年間の盗難補償が付いているので、わたしもそういったものを選ぶのがよかったと今は思っている。
わたしの購入した写真の”OTTOLOCK”も、日本の正規品であれば保証付きだけど、amazonで購入した輸入品だったため保証なし!みんな気を付けて~(T_T))
バスケットバッグは結構いいなと思っているけど、何分価格が高いので躊躇している。今後欲しくなったら考えることとしよう。
アクシデント発生!ブロンプトンが原因か?
ジテツウを楽しみ2か月が過ぎたある日のこと、膝を壊した。直接的な原因が何かわからないのだが、ブロンプトンで遅刻ギリギリを頑張って漕いでいるときなど、もしかしたら膝への負担が大きいのかもしれない。水を抜いて1週間車で通勤した。自転車に乗るときはサポーターをしたほうが良いと言われ、以来そうしている。

その後、全体的な漕ぎ味を軽くするために、チェーンリングの交換をすべくお店へ出向いた。

リングの歯車が50個である、「50T」がもともとついているチェーンリングだ。44Tがオプションであるほかに、サードパーティ製なら如何様にもできると説明をうけた。50Tから44Tへの変更では、全体が1段階軽くなるのかというとそこまでではなく、9割くらいの軽さとなるらしい。もっと軽くしたいというと、38Tや40Tを提案していただいた。40Tだと、今使っている中間ギアの重さはそのままで、一番重いギアがなくなり、今よりちょうど1段階かるいギアが新設される状況だという。そもそも一番重いギアの使用頻度は低く、上り坂では始終一番軽いギアを回しているから、40Tにするとすべてのギアを使えるようになるはずだ。実際、乗ってみると軽い方は軽すぎることはなく、重すぎるギアがなくなってなんともちょうどよい。ブロンプトンの一番重いギアは多くの方が有効に使ってないかと思うので、これは多くの方におすすめできる。
チェーンリングを「40T」に変更して、膝にも少し優しくなった。乗った感じは、やはり少し楽で、あえてもともとの一番軽いギアである「1+」で坂道を上ってみたけれど、その下にもっと軽いギアがあるとわかっているとすぐ根負けして一番軽いギアにあっという間に変えてしまった。今までできていたことも、即座にできなくなる人間でした…。
ブロンプトンのライトとミラー
ライトは必須だと思うが、いまだに取り付けていない。わたしはクロスバイク時代に使っていた、パナソニックの「かしこいランプ」が大好きで、これをこのまま使えたらいいなあと思っていた。
振動や周りの暗さを感知し、自動でライトがつく。逆もしかりで明るさや無振動を感知して、数秒後に自動で消える。さらに、単3電池3本で稼働するので、そこも好ポイントだ。USB充電の機種等は多いが、単3の充電式電池をストックしているのは、例えば災害の時にもランプやラジオ等、同じ種類の電池が使えるものをそろえていることは役に立つためだ。いざというときに単4電池がなくて使えない・・などということにならないように電池式の何かを買うときは電池の種類をオーソドックスな単3で動くもののみを選んでいる。
ミラーはクロスバイクに付けていたため見るのが癖になっていて、ミラーがないと心地が悪く、クロスバイクに付けていたものをそのまま移した。幸い折りたたんでも干渉することはなかった。
このハンドルについているグリップの内部の樹脂がとんでもなく硬く、5日くらいかけてカッターで少しずつ削って根性で取り付けたのはまた別の話…

このミラーはハンドルの下につくので目線の移動が多いのがデメリットではあるが、車体の幅から出ないのでスマートである点がメリット。慣れたら自分の手首の下を見るくらいの位置関係なので、視線異動もも当たり前のようにできている。
ブロンプトンにぴったりのキックスタンドは?
当初はお座りスタイルで停めればいいと思っていたからキックスタンドはつけなかった。その後、1秒でできるお座りスタイルといえどもひと手間だと感じるようになった。渡船での通勤の時など、おすわりで停めた後で後ろから来た自転車や車がいた場合もう一度元に戻して少し場所を移動してまたお座り。その後またちょっと移動して…そんな時にキックスタンドがあったら楽だなと思ったのだ。
Amazonで購入して自分で取り付けたのがミノウラのバーディー用のキックスタンド。ブロンプトンに取り付けもできるのだがタイヤに少し干渉するのでテープ等を少し巻いてやるとよい感じになる。それでしばらく乗っていたが、メンテナンスの時にすすめられて同じミノウラのブロンプトン専用のものに付け替えた。

んで、うちに最初に買ったこいつは眠っているので、だれかほしい人いたらコメントでもください。差し上げます。
無事もらわれていきました。ありがとう!^o^

以上で今のところわたしのブロンプトンは一通り気になるところを補って完成している。
意外と軽くなく坂道で苦しんで膝まで壊し、ブロンプトンを購入したことを後悔してしまう一歩手前まで行ったものの、チェーンリングを交換することで1段階軽くなり、坂道も少し楽になっている。それに、ブロンプトンって本来ゆるく乗れる自転車だったはず、時間に余裕をもってシャカリキに漕ぐのはやめて、景色や風を楽しむようにした。
雨なら潔く車で行って、時間に余裕があるときに気が向いたら渡船ではなく大橋を渡って、商店街に新しく出来た店をひやかしながら、同じブロンプトンユーザーとすれ違う時にお互いなんとなく会釈したり、購入店のお兄さんにアドバイスをもらったりしながら、長くブロンプトンのある暮らしを楽しんでいきたい。
今後の抱負は、輪行を楽しむことと、折り畳みを早くできるようにしたいなと思う。盗難にあうことなく、年とってものんびり楽しんでいけたらいいな~。

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