《ノラ猫問題》庭で保護した猫の里親探しと、地域猫活動の難しさ(雑感)

暮らし

臆病なびくびく保護犬と暮らしているpingguoです。

お庭に猫ちゃんがやってきた

GWの連休のころ、うちの庭に三毛猫が現れるようになってどこの子かなと思っていたら、数日後にぞろぞろと4匹の子猫を連れてきた。
子供のブランコが楽しかったらしく、いつもぶらーんぶらーんと揺れて遊んでいた。遊び方がわかる子たちだ。

窓越しに写真を撮っている

当初来たときは子猫たちが2か月くらいの時でとてもかわいかったけど、すでに逃げ足が速く捕まえることができない。塀を上るときにもたもたしていたから本気になればいけたかもしれないけど…
そのまま1か月過ぎた頃、ご近所さんの立ち話で猫に関するあれこれが聞こえてきた。
「庭にフンをされた」「畑に入っていた」「ごみを漁られてオムツを持って行き、別の家に置かれていた」「臭くなった」「〇〇さんが隠れて餌をやっているのではないか…」放置していては、トラブルになりかねない不穏な雰囲気だった。

猫たちが幸せになるためにできることは?

わたしは動物は好きで、実家では犬が1匹猫が4匹暮らしているので猫のいる生活には慣れていたのだけど、保護犬が来てからは猫を飼うつもりはなかった。しかし、庭に頻繁に来るようになってからは、何とかしなけばという気持ちが強くなり、町内会長さんのところへ行ってみた。

「地域猫活動ができないか」という相談をしに行った。だけど、こういったセンシティブな問題はアレルギー反応が強く、ろくに話もできないまま断られて終わった。ただ、わたしが作ったチラシを町内会で回してくれることになった。

地域猫活動とは?

地域住民が主体となって,地域にいる野良猫の不妊去勢手術を行い,エサのやり方やふんの始末などに関するルールを定めて,地域で野良猫を適切に管理していくことにより,野良猫によるトラブルを減らすとともに,不幸な野良猫の数も減らして,住みよい地域にしていく活動です。

 広島県では,「広島県地域猫活動ガイドライン」をつくって,この「地域猫活動」を推進しています。国もガイドラインをつくるなどして推進しており,全国的に,人と野良猫が共生してくために有効な方法と考えられ取り組まれています。

広島県動物愛護センター
 地域猫とは
  地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主がいない猫。
  適切に管理することで、これ以上数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫を指します。
広島市HPより

地域で生まれた猫は地域の責任で管理し、繁殖させることなく、生まれた生命を尊び、幸せな一生を送らせてやる。という考え方で、これは国も推奨している。ただ、反対意見も賛成意見と同じくらい多いのが実態だ。

地域猫活動のメリットとデメリット

地域猫活動は、猫が不幸にならない点でよいことだと思う。ただ、反対意見が多いことからデメリットも多いと考える。両方の立場から考えてみたい。


メリット


性格が穏やかになり、落ち着く。
発情しても交尾ができない時のストレスがなくなる。
発情しないので、夜昼構わず大きな声を出す「猫の恋」がなくなる。
行動範囲が狭まる。
メスは不妊手術を行うことで、卵巣や子宮に生じる病気を防ぐことができる。
オスは縄張りを主張するマーキング、スプレー行為(臭いおしっこのまき散らし)が減少もしくはなくなる。また、尿のにおいが少なくなるといわれている。
メスを取り合ってのケンカがなくなるため、ケガや感染症が減る。
(メリットといえるかはわからないが)外見が雄々しく育たないのでかわいい感じになる。


デメリット

体にメスをいれること。不妊済を表し再度捕獲されないための目印、耳カットも行う。
一時、捕獲し半日絶食させ病院に搬入し、手術を行うことの恐怖を与えてしまうこと。
今後、望んでも繁殖することができない。
肥満になりやすくなる。

それでもメリットが上回る

一時のこととはいえ、不安にさせてしまうことは確かで猫の恐怖とストレスを思うととても心苦しい。
それでもメリットとデメリットを比較した際、メリットの方が断然上回るので、わたしは野良猫だけではなく、飼い猫であっても積極的に不妊手術をするべきだと思う。上記にあげた、ストレスや病気、ケガを避けることになるからである。
野良猫であれば、行動範囲が狭まることで、遠くに行ってメスを探したりオスと喧嘩したりせず、落ち着いて自分の守備範囲を守るため、新たな野良猫が定着しにくい。
また、発情期の大きな声が近所迷惑になることを防ぐ。
スプレー行為がなくなり、庭で尿をされて臭いに悩んでいる方にとっては少なからず改善する。
全ての猫にとってメリットのある不妊手術を外猫に施せば、人にとってもメリットがあるということになる。


TNRとは

のらねこを捕獲して手術を施し、耳カットして元の場所へ放す。
簡単にいうとこういうこと。
放した後は、元通り。でも妊娠することはなくなる、ということ。

公益財団法人 どうぶつ基金 より


わたしの目的

生き物が好きだから、猫が不幸にならないこと。
かわいそうな命を増やさず、今生きている猫たちが幸せに暮らせること。
殺処分させたくない。

かわいそうな動物、福祉の行き届かない動物を思うときの、自分の苦しさや辛さを改善すること。自分のためといってもいいかな。


時間がないからとった行動

こねこはどんどん大きくなっていく、また、世間ではこねこの人気は高いものの、大きくなるにつれて里親探しは困難になっていく。また、母猫は離乳がすみ、秋にはまた妊娠する可能性がある。
猫たちの勢いには、躊躇したり迷ったりする時間は邪魔でしかない。
勢いには勢いをもって、行動しなければならない。
わたしは地域猫活動は初心者だけど、自分の住む地域でできるかもしれないと希望をもって行動を開始した。


貼紙と回覧板

町内会長との話。
「大変だし、理解が得られないので地域猫活動はできない。
やるなら個人でやりなさい。」ということで落胆する。
作ったチラシをせめてゴミステーションに貼らせていただき、回覧板でも回していただきたいとお願いするも渋られ、夫が掛け合ってどうにか回していただいた。
こちらが行動するにしても、事前に地域住民にお知らせしたり、飼い猫かどうかお伺いを立てないと先に進められないので必須であった。


人馴れ訓練

地域猫ができればそれに越したことはなかったが、時間がなかった。子供たちはどんどん大きくなり母親は妊娠してしまう。
自分で行動しようと心が決まってから、猫たちに時間を決めてご飯を与える。早朝5時~6時頃には食べ終わる。
数日続けると、その時間には5匹の家族猫がちゃんと来るようになった。

じーーーーー
結構なれてきたかな~


保護開始

まだ、すべての猫を慣らす段階で、保護に至っていなかったのだが、こねこのなかの、ブラックスモークが気になるという大学生カップルが夫に連絡を取ってきた。
大雨で警報が出ていたけど頑張ってやってきた。
雨が上がったときに、ブラックスモークがやってきて、室内へ入れたところで保護。
一目で気に入った彼らがすぐに連れて帰った。
夫の友人なので、折にふれては写真を送ってもらう約束をし、不妊手術やワクチン、検査はかならず行う確約を得る。

水を張ったプール、落ちないかひやひや

ほどなくして慣れて、くつろぐ様子、病院へ連れて行った様子、先住猫と仲良くなる様子などを送っていただき、うれしく安心した。

また或る日。里親探しの掲示板を見て下さった方が、こねこたちを見に来た。
家で待つ子どもたちが楽しみにしているという。
その方のお宅は神石高原町というところで、町が不妊手術費用を半分負担してくれるのだそうだ。
その後、2匹の兄弟を一緒に引き取ってもらった。


歓迎すると言ってもらったのだが、コロナ禍で、お宅訪問は辞退した。
かわりに子供たちとのかわいい写真をたくさん送っていただく。

出発前。元気に暮らすんだよ!
全頭保護にむけて、二段ゲージを手作りしてみた。


オペ・治療

残る2匹(母親と残り1匹のこねこ)

タオルハンモックでくつろいでくれた~^^

オペは9月3日に行うことが決定していた。
家に残っているこねこのトラ猫と、母猫の三毛猫の2匹だ。
この日もワイヤーネットで自作の小さなゲージを組み立てて入ってもらい、病院へ連れていく。
不安がってひどく鳴いたが、布をかけたら落ち着いた。

1日外で待ち、その日のうちに連れて帰る。
こねこの方は至って元気、母親に関してはおなかに血がにじんでいる。
エリザベスカラーをつけて3日ほど過ごしてもらわなければならない。
落ちついて、ゆっくりと過ごしてほしいものだ。

2匹はこうして「さくらねこ」になった。


里親さがし

明日、トラちゃんを迎えに来るという前日。
お母さんとくっつきもっつきしていて、胸が締め付けられる。

小屋から出て自由にさせている

もう5ヶ月程の大きさだ。遠からず、独り立ちする日が来る。
とは言え、明日この親子は離れ離れになる。
幸せになってほしいけど、残された親が気になる。

その3日前、わが子が名前をつけた。
子どものトラ猫は、おさるのジョージが好きなので「ジョージ」。
お母さんの三毛猫は、すぐに威嚇したり猫パンチを爪前回で飛ばしてくるので「ケンカちゃん」だって。
すぐにいなくなるのに…

ジョージを引き取りに来た家族は、50代の双子と80代のおばあちゃん。
食べているフードや、食事の時間等、真剣に聞いてはメモを取っていた。
ワクチンと不妊手術代もしっかりといただいた。
無理そうならいつでも戻してと、お金も返すからと言っておいたが、きっとばあちゃんと縁側で幸せにゴロゴロして暮らすだろうと思った。

里親さんが帰った後、子どもは泣いた。僕が名前をつけたのに、また名前がなくなっちゃうじゃん!首根っこを持ったら痛いからだめじゃん!かわいそうだ!!そう言って泣いた。わたしは子どもを抱きしめて一緒に泣いてしまった。


毎日がどたばた

ケンカちゃん、うちの吹き抜けの梁の上を闊歩するものだから最初はひやひやした。
でも、DIYで作らなくてもちょうどいいキャットウォークがあってよかったと思うようになった。

窓の大きな家なんです


猫と人の共生

ソファや物置、服やバッグの上におしっこをしてしまう。
わたしたち人間が努力をしなければならないのは、床にものを置かない。
物置を開けたら閉める。
ドアの開けっぱなしに注意。
ソファを離れる時にソファの上にカバーをかける。
そのうち爪が伸びてきたら、爪とぎ問題に頭を悩ますかもしれない。
角に取り付ける爪とぎ対策グッズをいくつか見繕う。
毎日、いやだろうけどふれあいタイムを作る。(具体的には、小屋や段ボールハウスに入ったところで長いピンクの棒でなでなでする。他のねこじゃらしやブラシ、孫の手も試したけど威嚇が止まらない。今はこのピンクの棒のみ、ふてぶてしい顔で我慢して撫でられている感じ。)小屋や段ボールハウスが安全な場所だと思ってもらいたいので無理はせず、毎日十数分のピンクの棒なでなでを続けていく。
手術後はわりとバスタオルでだっこができていたが、元気になるにしたがって暴れまくり難しくなっている。ただ、少しでも継続してだっこできるように続けていく。(目ヤニを拭いたり爪切りをしたり、病気の時に保護したり、鳴らしておくことは重要)
あとは、子供たちも自然にそうしているけど、かまいすぎず恐れすぎず、空気のような存在として扱う。

最初はおなかの調子が心配でカラーが取れるまで家にいてもらって、リリースするのかどうか考えていた。
だけど、保護犬も離れていれば落ち着いてきたことだし(ストレスはあると思うが)アレルギーがあるわけでもないし、1匹ならなんとか共生できると思い、うちに住んでもらうことにした。
ことあるごとに外に出たくて窓をがりがりやっているけど、いつか慣れてくれると信じている。


うちの問題児、その後

9/10 粗相が止まらない。床にものを置かないようにみんなで気を付ける。
9/11 落ち着かない様子、夜中など野太い声で吠えている。
9/15 にゃんとも清潔トイレを購入する。今までは100円ショップの水切りカゴだった。

9/16 長男が作った段ボールハウスに入る。嬉しくて、子供と二人で脅かさないようにひそひそわらいをした。
9/17 ジョージがいなくなってからしばらく入っていなかった小屋に入ってくつろぐ。
9/18 ちゅーるを手からなめ、最後にはたく。

9/20 19日朝から20日夜まで家を空けるので、心配になりわたしの母に様子を見に来てもらう。19日の夜、いい子にしていたらしい。20日の夕方帰ると部屋から脱出し、2か所に粗相をしていた。ごはんもあらかた食べていた。
9/24 目ヤニがでている。バスタオルでくるんで抱っこし、顔を拭いてやらねば。今夜決行。
10/1 保護からひと月、まだ慣れないけど、一晩中ろうろうと鳴くのはなくなった。夜は寝ている。早起きだけど。
10/10 いつものナデナデ棒でナデナデしている時、ゴロッと横になってみたり目を細めてみたり、気持ちよさを隠せない
10/13 ナデナデ棒でナデナデしていると見せかけて、棒は首のあたりに立てかけたまま素手でヨシヨシ。長い時間できた。

10/20 棒なしでも背中ヨシヨシできる。振り返られるとパッと手を離さなければ、ひっかかれる。

10/25 太ってきた。

11/1 仔猫が母にされるように首根っこをつかむと おとなしい。気持ち良いのだろうか?

11/5 首根っこを掴んだままだと抱っこできる。話してみるとすぐ逃げる。なでなでちゅう、ゴロゴロが時々聞こえる。うれしい。

11/8 猫じゃらしに反応するように。追いかけるまでは行かないけど、近くに来た玉をチョンチョン、つかんでコローンと転がった。

2022
1/24 爪とぎをするようになった。ネックだった爪切りは首根っこをつかむことで難なく成功。ただ夫に手伝ってもらうなどすると、緊張して逃げ出したくなるみたいで、自分で首根っこと爪切りと同時にするのは難しい。
爪とぎをするので柱が傷んできた。ソファなども。いろいろな爪とぎグッズを購入して配置したがあまり今のところ使ってない。そのうち使うだろ。ねこじゃすり等導入も、嫌いらしく、ひっかかれて辛い。

続く・・・・・にゃ~!

地域猫活動はできなかった

この度は地域猫活動につなげることができなかった。
だけど、近い将来地域猫はスタンダードになっていく可能性もある。
ご近所との会話の中ででも、猫のいない平時から話題を振って、理解を深めておこうと思っている。
猫は突然やってくるし、別の地域には存在する。隠れているだけかもしれない。
気を抜かず、理解者、協力者を探したい。

また、「どうぶつ基金」さんで、不妊手術無料チケットを配布していることを知った。
この度は間に合わず、自費でのオペとなったが、今後住んでいる地域のみならず、猫たちのコロニーを発見した際のTNRに役立てたいと思う。

まあ、こうして家族が増えてめでたい事だと思おう!ケンカちゃんの今後を時々UPしていこうかな^^

(文中で今後のケンカちゃんの様子をアップしているよ)


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